ADL評価で用いられる「FIM」を知ろう

ADL評価で用いられる「FIM」を知ろう

ADLの状態チェックの重要性

ADLというのは食事やトイレで行う排便や排尿、それに洗顔や入浴、着替えなどの身だしなみ関連や歩行や階段の上り下りなど日常生活における基本動作を指す言葉で、介護において極めて重要な概念です。それというのも、例えば脳卒中などの理由でこれまでのように自立した生活を営むことが出来なくなり、介護のお世話にならざるをえなくなってしまう人は多いのですが、そうした人の介護においては現在どのレベルまでであればADLが行えているのかを把握する必要があるのです。
特に脳卒中の場合は発症後に顔面麻痺や身体の片側麻痺などの症状が残る場合があり、そうした場合には自力での歩行や排便、排尿なども困難になってしまいます。しかし全ての機能を失ってしまったわけではないので、例えば自力での立脚や動く部分を使っての食事は可能という場合もあります。こうした時に可能なADLの部分まで補うような介護や介助を行ってしまうと、そのADLを行うための能力が徐々に失われていってしまうのです。学生時代に運動部で鍛えていた人も、社会人になって運動不足に陥るとしばらくはいいものの、徐々に学生時代に鍛えた筋肉や反射神経などが失われていきますが、そうした現象と同じと思っていただければ良いでしょう。

FIMによる評価

ではどのようにADLのレベルを評価するのかなのですが、多くの介護の現場ではADLの評価法としてFIM(Functional Independence Measure:機能自立度評価表)というものが活用されています。FIMはその日本語訳にある通り、各機能の自立具合を測定し記載する表のようなフォーマットになっており、ADLの評価方法は世の中に数多くあるのですがその中でも特に信頼が寄せられている評価方法です。
なおこのFIMの優れた特徴としては理学療法士やケアマネージャーのような高度な資格を必要とする専門家でなくとも、誰だって使えるような形で構成されていることです。当人のADLに関する情報の評価や整理を行いやすく、一目で把握できるような構成になっているのです。

FIMの評価方法

ではFIMはADLをどのように評価し測定するのかを具体的に見ていきましょう。まずFIMの評価ではADLを認知項目と運動項目の2つ分けることから始めます。そして認知項目は2つの大項目と5の小項目に、運動項目は4つの大項目と13の小項目に分けられます。そしてこれらの各項目が7点満点の完全自立から1点の全介助まで7段階で評価され、最高126点満点から最低は18点までの間でADLの度合いが測定されます。
なおこの際の評価では他人の手を借りていなければ介助用具を使っても構わず、動作は上半身と下半身で別々に切り分けて評価されます。

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ADLを紹介します

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